甲状腺は首前面の“のどぼとけ”の下あたりにありちょうちょのような形をしています。
さわってもよく分からない方がほとんどです。
甲状腺は生きていくのに必要なホルモンを作っています。
脳や心臓、腸、筋肉、骨、皮膚、神経などあらゆる新陳代謝を調整しています。
また小児の発達にも不可欠なホルモンで、日本では新生児全例に異常がないか検査をしています。
甲状腺の病気は大きく分けて3つに分類されます。
- 【主な原因】
- バセドウ病、亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎、プランマー病など
放置すると危険!?
例えばバセドウ病では…
- 【甲状腺クリーゼ】
- 体に何らかのストレスが加わることをきっかけに発熱、意識障害、頻脈、心不全、嘔吐・下痢などを発症し、命に関わる状態になります。
- 【心原性脳塞栓症】
- 甲状腺ホルモンが過剰な状態が続くと心房細動という不整脈をひき起こします。すると心臓の中に血栓ができることがあり、まれにその血栓が脳の血管を詰まらせてしまいます。麻痺を伴った意識障害を起こし、命に関わることもあります。
- 【バセドウ病眼症】
- 眼を動かす筋肉が腫れ、まぶたや眼の周りの脂肪が増えた結果、ギョロっとした眼になります。重症な場合、眼に強い痛みや目が閉じずに乾燥してしまうことがあります。
- 【主な原因】
- 橋本病、うまれつき(先天性)、
甲状腺摘出術、薬剤(炭酸リチウム、
アミオダロン、インターフェロン etc。)など
放置すると危険!?
例えば橋本病や甲状腺摘出後で甲状腺ホルモン欠乏状態が長く続くと…
- 【粘液水腫性昏睡】
- 低体温、呼吸不全、循環不全ら意識障害を起こし、命に関わる状態になります。
甲状腺のしこりって何?
多くは嚢胞(液体が溜まった袋のようなもの)や良性腫瘍ですが、ごくまれに悪性腫瘍(ガンなど)のことがあります。
- 【しこりがあるとどうなるの?】
- 小さいものは自覚症状はなく、CT検査やエコー検査で偶然見つかることがほとんどです。
腫瘍が大きくなると、のどの腫れ、声のかすれ、飲みこみづらさがでてきます。
甲状腺癌は加えて他の臓器に転移することがあり、予後に関係してきます。 - 【なんでしこりができるの?】
- 原因についてはよく分かっていませんが、バセドウ病や橋本病などがあると、腫瘍はできやすくなります。
甲状腺ホルモンについては血液検査で調べることができます。
しこりがないかはエコー検査で分かります。
甲状腺腫瘍については当院では穿刺細胞診は行っておりませんので紹介します。
当院ではどちらも当日に結果をお伝えできます。